ロシア政府の息がかかっているRTだけでは説得力がないと思い、アメリカの大新聞を覗いてみました。
ただし、こちらの文章は、RTに比べてお高く留まっているので、単語は難しい、言い回しも難しいと厄介なのだが、そこは適当に流し読み。
途中まで読んだ記事が、
『Predatory Islamic State Wrings Money From Those It Rules(肉食恐竜のようなイスラム国は、その支配地域からお金を搾り取っている)』
By MATTHEW ROSENBERG, NICHOLAS KULISH and STEVEN LEE MYERS NOV. 29, 2015
http://www.nytimes.com/2015/11/30/world/middleeast/predatory-islamic-state-wrings-money-from-those-it-rules.html?ref=world&_r=1
記事の抜粋:
①Three times a month, Mohammad al-Kirayfawai hands $300 to fighters from the Islamic State for the privilege of driving his refrigerated truck full of ice cream and other perishables from Jordan to a part of Iraq where the militants are firmly in charge.(モハンマド・アル・キライファウェイは月に3度イスラム国が派遣した兵隊に300ドル渡している。これは、キライファウェイが彼の冷凍車で冷蔵庫一杯のアイスクリームやその他の生ものを、ヨルダンから、イスラム国の兵士たちがガッチリ支配しているイラクのイスラム国支配地域へ運び込む特別許可の代償なのだ。)
②Refuse to pay and the facade of normality quickly falls away. “If I do not,” Mr. Kirayfawai explained, “they either arrest me or burn my truck.”(イスラム国の兵士への支払いを拒否すれば、たちどころに、状況が激変します。「私にはとても支払い拒否なんてできません。」と、キライファウェイ氏はきっぱりと言いました。「そんなことをしたら、イスラム国の兵士たちは私を拘束します、さもなければ、私のトラックを焼き払います。」)
③The better known of the Islamic State’s revenue sources ― smuggling oil, plundering bank vaults, looting antiquities, ransoming kidnapped foreigners and drumming up donations from wealthy supporters in the Persian Gulf ― have all helped make the group arguably the world’s richest militant organization.(周知の有名なイスラム国の財源は、原油密輸・銀行の金庫破り・古代遺物略奪・誘拐した外国人の身代金・ペルシャ湾岸の金持ちのサポーターからの寄付だが、これらの財源によって、イスラム国は間違いなく世界一の金持ち武装組織になっている。)
ここには、①の一種の税金は入っていないから、他にも財源があるのだろう。
ここまでを読むと、イスラム国を財政面から締め付けるのは難しいと言いたいように読める。
もう一つ別な記事を見てみよう。
『Why Cutting a Crucial ISIS Route May
Not Stop Flow of Fighters and Supplies(イスラム国支配地域の幹線道路を破壊しても、イスラム国への兵士たちや物資の流入を止められない理由)』
By TIM WALLACE and JOSH KELLER NOV. 12, 2015
http://www.nytimes.com/interactive/2015/11/11/world/middleeast/isis-syria-iraq-supply-route.html
記事抜粋:
①As the Islamic State captured parts of Syria and Iraq, it avoided opposing forces and supplied sleeper groups by driving trucks across the landscape on zigzagging, informal roads. Satellite images of the area south of Sinjar show a number of local roads its fighters can use instead of the highway. (イスラム国がシリアとイラクの一部を占領支配すると、その地域から兵士たちを集めてくるために、敵対勢力との正面衝突を避けて、その地域内を縦横無尽に繋いでいる枝道(脇道)をトラックで走り回った。シンジャー山地の南の地域を撮った衛星画像を見ると、幹線道路の代わりにイスラム国の兵士たちが利用している無数の田舎道が写っている。)
②The secondary roads are slower, and they could flood in winter rains, but they will be sufficient to continue the flow of supplies from Raqqa to Mosul, according to Michael Knights, a military expert at the Washington Institute for Near East Policy.(これらの脇道・枝道・田舎道は低地にあり、冬季の雨で泥沼になる。しかし、この脇道・枝道・田舎道を使って、ラッカからモスルへの物資を十分に補給し続けられるのだ、とマイケル・ナイトは言う。)
③But the highway is critical to Kurdish and Iraqi forces, which rely on heavier fighting vehicles rather than the small bands of trucks used by the Islamic State. Kurdish fighters are accustomed to the mountainous terrain north of Sinjar, where driving off-road is impossible.“ISIS can just drive across the desert, but Kurdish and Iraqi military forces rely on roads and highways for tanks and other heavy equipment,” said Patrick Martin(しかし、その幹線道路は、クルド勢力やイラク政府軍にとっては必要不可欠なのだ。というのも、イスラム国が使用している軽量で小型のトラックと違い、クルドやイラク政府軍は重量のある戦車や装甲車で移動するからである。クルド勢力が走っている地域ではオフロードを走ることができない。イスラム国の連中は砂漠を横断できるが、クルド勢力やイラク政府軍は戦車やその他の重量のある車両を使うのでちゃんとした道路や幹線道路が必要なのだ、とパトリック・マーティンが言った)
ニューヨークタイムズのこれらの記事だけを読むと、イスラム国を平定するのは不可能に近いと思いこまされそうだ。
本日の別な記事によると、イスラム国は、リビアにも拠点を確保したらしい。
こういう報道を読まされると、ますます、イスラム国征伐は不可能に近いのではないかと信じ込みそうだ。
だが、ここで、非常に重要で素朴な疑問が湧き上がってきた。
いいですか、USAちゃんとNATOちゃん達は、こう合唱してます。
「シリア問題の解決に不可欠なのは、現政府の首領たるバシャール・アル・アサド大統領を排除することなのだ。」
では、USAちゃん、NATOちゃんにお伺いしますが、「アサド大統領を排除すれば、シリアは平和的に統一され、民主主義国家に生まれ変われるのですか?」、と。
可笑しいでしょう。
今現在、強力にシリア・イラクのかなりの地域を支配しているのは、イスラム国ですよね。
今現在、イスラム国を撃滅するのは極めて(とまでは言ってないが)難しい、難しいとお念仏を唱えているUSAちゃん、NATOちゃんは、アサド大統領を追放もしくは処刑した後、どうやってシリアからイスラム国を追い払って、難民として国外にまで逃げていった人たちが安心して帰ってこれるようにするのですか?
中東がシッチャカメッチャカのなったのは、一体いつからなのですか?
アフガン・イラク両戦争以後特に酷いんじゃないですか?
キャメロンが「空爆。空爆」と一つ覚えみたいなことを繰り返しているが、USAちゃん同盟軍が1年以上空爆をやってきたのに、一向にイスラム国退治は進展していなかったようですが。
空爆すると、イスラム国が消えてなくなるのですか?
そもそも、ロシアが空爆を始めたのは何時からでしたっけ?